2025年9月5日に国内最大級の竜巻が発生した静岡県牧之原市では、9月17日から農業用ハウスの被害調査が始まりました。被害の大きさに、被災した農家からは、行政による金銭的な支援を求める声が挙がっています。

推定風速75メートル、国内最大級の竜巻が起きた牧之原市では、300棟以上の農業用ハウスに被害が出ました。

17日、自治体の職員が2人1組で壊れた農業用ハウスを訪れ、被害の全容を調べました。

<調査員>
「農業経営を続けていく中ではかなり深刻な被害になっているのではないかと思う。やはり一番つらいのは実際に被害にあわれた農家だと思うので、そこを何とか寄り添えるような形になるのが一番良いかなと思う」

コチョウラン(胡蝶蘭)を栽培している八木幹男さんは、竜巻による停電でエアコンが止まり、栽培に影響が出ました。

<八木幹男さん>
「やっぱり高温障害でつぼみが黄色になっちゃう」
Q. 黄色になってしまうと?
「もうだめですね。ここで切っちゃうしかないから輪数少ないからあんまり少ないと出荷できないですね。仕方がない。自然の脅威には勝てない」

さらに、被害が大きかったハウスではビニールが吹き飛び、基礎の部分は浮き上がってしまいました。

<八木さん>
Q. あそこまで盛り上がってしまうと工事は?
「もうだめみたい。メーカーの人が来て『だめだね』って」
Q. ではこのハウスは?
「もう取り壊します」

ハウスを再建するには数千万円かかるということで、八木さんは行政に金銭的な支援を求めています。

<八木さん>
「補助がもらえるなら出してほしい。我々今までもらったことがないからね。若い人は自分で借金して始めて2~3年の人が多いから、結構大変だと思う。財政的に」

調査は9月20日まで行われ、市は、被害額を算出した上で、国や県とともに具体的な支援策を検討する方針です。