「人が座っているように」
<髙野哲一さん>
「においをかいだら、バーッと走り出した。最初から海の方を気にしていました」
捜索を開始した場所は海岸のすぐ近く。しきりに海の方を気にするフレアをうまく誘導しながら、髙野さんたちは防潮堤の上を往復して様子を見たといいます。
その時でした。
<髙野哲一さん>
「ふと、私が気にしたら、人影が見えたんですよね。人が座っているように見えまして」
髙野さんの目が松並木の向こうにいる女性の姿をとらえたのです。同行する警察官と砂浜に降りて、女性のもとに駆け寄った髙野さんとフレア。警察官が身元を確認したところ、行方不明届が出ていた女性であることが判明しました。
<髙野哲一さん>
「見つかって良かったなって安心しました。ホッとしました」
不安を抱えながらの不慣れな捜索でしたが、発見までにかかった時間は約40分。リスクが高まる夜が来る前に発見できたことは、警察犬フレアにとって初めてのお手柄でした。
後日、警察から高野さんには感謝状が、フレアには感謝状と副賞のペットフードが贈られました。
<浜松西警察署 渡辺健太署長>
「よくぞやってくれたということで、日頃から高野さんがを訓練をよくやってくれていると聞いているので、本当にありがたいと感じた」
趣味から始まった警察犬の訓練。高野さんは謙遜しながらこれからもマイペースで捜索活動などに従事したいと話します。
<髙野哲一さん>
「今後も協力できるようにやっていきたいのですが、あくまでも私の趣味の延長線上の話ですから」
警察犬と飼い主の絆が生んだ今回のお手柄。防犯カメラやドライブレコーダーなどデジタル面での捜査が欠かせない現代ですが、犬の嗅覚を頼るという昔ながらの手法の大切さを感じさせる活躍でした。