静岡県を流れる大井川流域の市長と町長が集まり、リニアトンネル工事について、静岡県の川勝知事と意見を交わしました。
8月10日、県庁に集まった大井川流域の10の市町の首長たち。揃って川勝知事と意見交換するのは2年半ぶりです。非公開で行われた会の冒頭で、国の6月の閣議決定に「水資源と環境保全の課題解決を進める」と明記されたことを例に出し、「大きな変化だ」と静岡県への理解が進んでいるとアピールした川勝知事。
8月9日に初めて参加したリニア建設を促進する期成同盟会でも、沿線都府県の知事に対して静岡県が抱える課題への理解を求めました。しかし、この同盟会への加盟は、流域市町を困惑させていたようです。
<川勝平太知事>
「今回、期成同盟会に入ったことが『工事の着工を前提にしたと受け止められているがそうなのか?』と。それは違います。ルートを前提にして、工事ができるかどうかを議論しているのが今の段階で、工事を前提にしたわけではないと(答えた)」
また、8月8日に川勝知事が視察した田代ダムの水を活用した全量戻しにむけた方策ついては、流域市町でも評価が分かれています。
<島田市 染谷絹代市長>
「しっかりと大井川の水を返して頂けるなら、どんな方策であっても、水資源が水質が水量が担保できれば流域の暮らしは守れると考えています」
<吉田町 田村典彦町長>
「単純な話、田代ダムの発電に必要な水として取水しているわけだから、それを返すというのは、いらないわけだから、別な問題で『水返せ』という話になってくる」
<川勝平太知事>
「(島田市長は)『田代ダム案は現実的である』とお考えになっている。水が戻ってくれればそれは県民も流域の人たちも嬉しいことなのでと。希望が強いということは島田市長さんの発言でよくわかりました。それをふまえてやっていきたい」
今後は、こうした意見交換会の頻度を高めていくということです。