“宮崎弁”や“茨城弁”はむしろなまってない⁉

日本語の「無型アクセント」は、各地方でアクセントが単純な方向へ変化し、最終的になくなったものだという説のほかに、日本語の最も古い形として「無型アクセント」は元々広く話されていて、そこに大陸からアクセントのある言葉が持ち込まれ、影響を受けて、日本語は次第にアクセントを持つようになるものの、それが波及せず、現在まで残っているのが「無型アクセント」だという説もある。
「なまり」を漢字で書くと「訛り」。「言」偏に「化ける」だ。字が示す通り、言葉が時代とともに変化したものが「なまり」だとすれば、後者の説に基づく茨城県や宮崎県のアクセントは、変化をしていない最も古い形なのだから「なまり」ではない。「なまって」いるのは、むしろ、東京をはじめとするアクセントのある地域の言葉だと言えるのだ。
(SBSアナウンサー 野路毅彦)