トラクターなど農業機械による長野県内の死亡事故は、過去5年間で41件にも上っています。
北信地域の消防本部が8日、農業機械の事故を想定した合同の救助訓練を行いました。
小布施町で行われた訓練は、須坂市消防本部が企画し、北信の5つの消防からあわせて60人が参加しました。
まずは農業機械メーカーの担当者を講師に、農薬散布に使うスピードスプレーヤーの仕組みを学びます。
作業中は大量の水を積むためバランスを崩しやすいということで、消防署員は凹凸のある路面で運転し、特徴を体感していました。

訓練では、横転事故の対応も。
シートベルトがないため、運転者が投げ出され下敷きになることも多いといいます。
署員たちは地面と車体の隙間にエアーマットを挟んで空間を作り、救助する訓練に取り組みました。

県によりますと、農業機械による県内の死亡事故は過去5年間に41件。
今年に限ると死亡事故は4件、重傷事故も9件起きています。
参加した隊員:
「(農業機械は)素材が柔らかいのと形状も違う。車(の事故)だと道路上が多いが、農機具とかは足元の悪い場所も多いと思うので、そこらへんは気を付けていかないといけないと思う」

隊員:
「初めて参加したが操作方法も難しかったり、救助も難しい部分があったので経験していい経験になった」
講師を務めた農業機械メーカーの担当者は「装置の止め方がわかっているだけでも、速やかな救助につながることがある」と、訓練の成果に期待していました。