慢性的な人手不足や職員の負担軽減が叫ばれている介護現場。
その一助になるでしょうか。
茅野市の介護施設が導入した「あるもの」とは?


茅野市の介護付き有料老人ホーム「ウィズ茅野」。

お昼前の体操の時間にお邪魔すると…。


その様子を後ろからじっと見つめている一体のロボットが。


■ウィズ茅野 和田愛(わだ・めぐむ)施設長「名前はアイちゃんと言います!介護ロボットではあるんですが、職員がやっている周辺業務、その補助という形で 働いてもらおうと考えています」


アメリカ製の介護支援ロボット「アイオロス」。


全国では15機ほどが稼働しているということですが、長野県での導入は初めて。

どんな仕事ぶりなのか、通常は夜間行う作業を特別に見せてもらいました。


廊下をゆっくりと進んで…


エレベーターの前で止まりました。


■和田施設長「アイちゃんはエレベーターのボタンの場所も全部覚えていて 自分で操作をして上がったり下りたりします」


2階につくと早速仕事です。

アイちゃんが担う業務は大きく2つあります。
その一つが、手すりの除菌作業です。


左の手のひらから紫外線を照射させながらゆっくりと移動。

縦に付いているドアノブも忘れずに丁寧に除菌します。


これを一晩で、1階から3階まですべての手すりで行います。

■和田施設長「普段は我々職員が、雑巾に消毒液を浸して絞って一つ一つふいてました。入居者にお部屋に呼ばれたりすると作業を中断せざるを得ないので、こういった形でやってくれるので、すごく助かります。ロボットなんで文句も言わないし」


ロボットはリースで導入していて、介護スタッフ1人を雇うのと同じくらいの費用が毎月かかります。

導入の背景には切実な事情がありました。

■和田施設長「いろんな事情で1人2人と離職をしていきます。離職をした職員の補充、採用にものすごく時間がかかって、1年ぐらい応募すらないという状況なんですね。人手不足という状態が続いていて、長野県のすべての介護施設はそうなんじゃないかなと思う」


この老人ホームには67人の高齢者が入居していて、30数名のスタッフが交代勤務で24時間ケアを行っています。


ところが、人手が足りず、夜間はワンフロア27人の入居者に対し夜勤スタッフ1人のみで対応せざるを得ません。

ロボットの2つ目の仕事がスタッフの業務をカバーする夜間の巡視です。