増加しているオレオレ詐欺の中でも、今、流行している手口は…


(県警特殊詐欺対策室 南沢室長)「医療機関の医師をかたり『息子さんが喉に腫瘍ができて、病院に来てらっしゃいますよ』といった電話をかけてくる手口が目立っています」

手口を再現してみます。


(電話・医師を名乗る男)「もしもし、わたくしA病院で医師をしておりますBですが、あなたの息子さんが喉に腫瘍ができて病院に来ています」

まず医師を名乗る男が「のどに腫瘍ができた・吐血した」などとかたり、電話に出た人を焦らせ、騙そうとします。

しばらくすると・・・。


(電話・息子を名乗る男)「お母さん、病院で携帯電話と財布を落としてしまった。財布の中には職場で使うキャッシュカードが入っていた。お金を100万円用意してほしい。

続いて、息子を名乗る男が「職場に迷惑がかかる」などと、さらに焦らせようとする電話をかけてきます。

この時、息子の声と違っても、事前に医師を名乗る男がのどに腫瘍ができているなどの説明をしているため、息子からの電話だと思い込んでしまうのです。


そしてその後、自宅を訪れた息子の代理を装う受け子に現金100万円を手渡し、詐欺が成立してしまいます。


詐欺の被害にあった人の8割以上が65歳以上の高齢者で、大切にしてきた財産を多くの人が奪われています。

オレオレ詐欺などは高齢者の被害が多い一方で、インターネットなどを使った架空請求詐欺では、20代など若い人が被害にあうことも。


県警が詐欺の被害者を対象に行ったアンケートでは、8割の人が「自分は被害にあわないと思っていた」と回答しています。

街で聞いてみると…。


(70代男性)「電話は留守番電話にしています。いざ緊急で息子から電話があれば動転しちゃうかも」


(40代女性)「フィッシング詐欺とかは引っかからないようにすごく注意をしているので大丈夫かなと思っています」

30代男性「自分ごとでは特にないな」「やっぱり(被害にあうのは)お年寄りですよね」


80代女性「一度息子の名前を名乗る電話がかかってきたことがあります。『詐欺じゃないのあなた』って言いました」

被害のほとんどが犯人からの電話から始まる「電話でお金詐欺」。


県警では防止対策として◇固定電話は在宅中でも留守番電話設定にする◇知らない番号の電話に出ない◇お金の話はまず疑う◇身近な人に相談する などの対応を求めています。


(県警特殊詐欺対策室・南沢室長)「当事者意識を持っていただきたい。危機感を持ってもらうのが一番大事。対策を事前にとってもらえれば少なくとも少しは安全」

諏訪市でおととい、80代の女性が1200万円が騙し取られるなど、詐欺の被害は毎日のように発生しています。

自分は騙されない…と思いこまず、日ごろから自分ごととして考え、常に注意する姿勢が大切です。