無敗王者アルテム・ダラキアンにいかに立ち向かったか?

ーさて昨夜の世界戦は、22戦無敗の王者アルテム・ダラキアン選手との対戦でした。ユーリ選手は、立ち上がりから積極的に攻めていってたようにも思ったんですけれども、どのような気持ちで王者に挑まれたんでしょうか?

(ユーリ阿久井政悟選手)
「相手が無敗のチャンピオンだったんですけど、チャンピオンになるためには、無敗なんて関係ないですから。『もう自分が世界チャンピオンになるんだ』っていう気持ちでいきました」

ー入場シーンから会場も盛り上がってましたけど、雰囲気はどうでしたっか?

「ほぼ応援してくれている人ばっかりだったので、もう自分が高まりましたね。

ーそして徐々にユーリ選手の自慢の右ストレートが王者をとらえ始めました。ラウンド中は、どういったことを自分の中で感じていたか教えていただけますか?

「この相手はすごく足を使う選手で、クリンチワークも上手な選手なので、相手に自分のボクシングをさせないうまさがあるので、それに付き合いすぎない戦い方をしました」

ー試合中、ずっと相手の選手はコーナーに下がってかわす、みたいな感じですけど、ユーリ選手はずーと前へ前へいってましたよね。最初からそういう作戦でいくと考えてらっしゃったんですか?

「相手はそういう戦い方で『誘い出す』というか、それにまんまとはまっていったら、カウンターを貰って足を使われてポイントを取られるっていう、そういう戦い方の選手なんで、まず『無理に付き合わずに、自分の得意な距離でジャブを突いてクリンチしてきたらボディーを叩く』っていう作戦でした。

ーだいたい思っていたような作戦通りの試合に進んでいったという感じですか?

「そうですね、トレーナーが思っていた展開になったと思います」

相手は本当に人間として尊敬できる存在だった

ーラウンドごと終わってから、「お互いに拳を当て合う」というのがとても印象的な試合だったなと思うんですけども、やはり相手へのリスペクトがあったというところなんでしょうか?

「計量のときにお互い握手して、頭がぶつかってしまったシーンがあったんですけど、それぐらい相手に敬意を示す選手で、お互いがかしこまっちゃってっていう場面もあったんで、本当に人間として尊敬できるし、そういうチャンピオンに勝てたっていうのは嬉しかったですね」

ーインターバルでは、守安会長がユーリ選手に「お前がチャンピオンになるんだ」というふうに鼓舞していた姿が印象的だったんですけれども、どのような気持ちで試合を見守っていらっしゃったんでしょうか?

(倉敷守安ジム 守安竜也会長)
「そうですね。心配でね、2ラウンドまでね。2ラウンドまで見たら『これは大丈夫だ』と思って。ちょっと心配なところもありました。だいたい、ユーリが前へ前へ打っていくから、ペースを掴んどるから、ちょっと安心してみたんですけど」

ー勝った後に、ユーリ選手にチャンピオンベルトを巻いてもらったときはどういうお気持ちだったんですか。

(倉敷守安ジム 守安竜也会長)
「やっぱり持つと重たいしね、やっぱ嬉しかったですよ」

ー判定を待つときのお気持ちは?

(ユーリ阿久井政悟選手)
「『大丈夫だろうな』とは思ってたんですけど、やっぱり相手にポイントが流れてたら怖いな、って思ったのが正直あって、本当に勝ったときはホッとしました」

ー試合終わった後、両方の選手が拳上げてましたよね。

「そうですね。『やりきったぞ』っていうお互いのアピールだと思います」