なぜ?元地域おこし協力隊員の男 現金3千円を奪い強制性交未遂
今年5月に岡山県備前市の路上で、帰宅中の女性から現金を奪った上、強制的に性行為をしようとした罪に問われている30歳の男の裁判員裁判が、岡山地裁で始まりました。
眼鏡をかけ、白シャツにチャコールグレーのスーツといういで立ちで法廷に現れた、身長167センチの男。強盗と強制性交等の罪に問われている、三重県鈴鹿市の農業の男(30)です。

路上で見ず知らずの女性に「殺すぞ」服を脱がせ地面に押し倒し...
起訴状などによりますと、男は今年5月20日午後10時前、岡山県備前市の路上で、歩いて帰宅していた当時24歳の女性(以下Aさん、身長150センチ)に対し、背後から手を伸ばして口を塞ぎ、「殺すぞ」「金を出せ」などと脅迫し現金3千円を強奪。
さらに近くの倉庫裏まで連れていき、服を脱がせてAさんの胸などを弄んだあと、地面に押し倒すなどの暴行を加え、強制的に性交等をしようとした罪に問われています。
きょう(20日)の初公判で男は、「罪名については間違いありませんが、Aさんを押し倒した事実はありません」と起訴内容を一部否認。裁判では量刑、つまり「刑の重さ」を争うことになりました。
動機は386万円の借金と、元交際相手の一言「今後は会わない」
冒頭陳述で検察は、男が犯行に至るまでの経緯を説明しました。
(以下、検察の主張)
被告は広島県の出身。大学在学中、備前市の地域おこし協力隊員になりました。
その後、大学を中退して岡山県内で農業をするように。三重県内でも農業を始めましたが安定した収入はなく、今年春ごろには母親から合計190万円の送金を受けましたが、生活費等に消えたといいます。
また、この頃男にはJAに343万円・消費者金融に43万円、合計386万円の借り入れがありました。秋の収穫期まで収入は見込めず、消費者金融からは催促を受けている状況だったといいます。
こうした中、犯行前日の5月19日、男は未練のあった元交際相手と連絡をとり、相手の家で一泊します。そのまま迎えた犯行当日の夜、交際相手から告げられた一言にショックを覚えます。
「今後は会わない」
被告は、自宅の最寄り駅に電車で戻るまでの間、元交際相手に不満を抱くとともに、今後の生活に対する金銭的な不安も募らせていきました。