■遺されたスケッチ 描かれていたのは…

花や動物を、多く描いた雅さん。

スケッチブックに、2枚だけ人物画を遺していました。

(高木千鶴さん)
「これしか父が私を描いた絵はないんです。母を描いた絵も、これしかないです」

「出征間際に、急いでぱぱって描いたような絵だと思いますね」

「おっぱいを飲ませているところとか」

『自分で見ておきたい』『覚えておこう』
っていう感じですよね、これを見ていると」

スケッチからあふれる雅さんの思いです。

(川﨑文子さん)
「そりゃあどんな絵を描いていたか見たいよね。どんな絵を今度は描くのかなと思って。でもあの人は優しい人だからね。やっぱり優しい絵しか描かないと思うね。」

(高木千鶴さん)
「こうやって、普通ならば父も、私の成長を見てくれたのかなあって」

雅さんとの別れ。

80年の月日が流れました。

(川﨑文子さん)
「ありがとうございます。
 いろいろとありがとうございました」

雅さんの絵に込められた愛情が、色あせることはありません。