「タクシー不足」状況打破の鍵は「賃金アップ」

岡山県タクシー協会によりますと、コロナ前の2019年と比べて、岡山県内のタクシードライバーは約750人も減っているということです。現状を打破するには、労働環境の向上が不可欠だといいます。

(岡山県タクシー協会 神宝博 専務理事)
「乗務員をどう確保するかというのは、他産業から新たに来ていただけるような魅力ある賃金体系や処遇にしないといけないのかなと」

こうした中、中国運輸局はタクシーの運賃を、今月26日に改定すると発表しました。初乗りは区間が短くなり料金も値上がりします。事業者の経営改善とドライバーの賃金保障が目的で、消費者には苦しい値上げとなりますが、人手不足の打開策となるか業界の期待がかかっています。

【解説】
今、タクシー業界は深刻な人手不足により、時間帯によっては利用を断らざるを得ない状況に陥っています。その背景にあるのが、新型コロナでした。

コロナの影響で売上が激減、ドライバーを辞めてしまう人が相次ぎます。2019年と比べると県内だけで約750人ものドライバーが職を変えたそうです。

ご覧いただいたように、インタビューをした現役ドライバーからは「1日12時間くらい働いて、営業3件売り上げが2700円という日もあった」といった声も聞かれました。そんな中、発表されたのが運賃の改定です。

岡山県内ではこれまで、普通車の初乗り運賃の上限が1.3キロ640円でしたが、26日からは1.25キロ700円に値上げされます。これは新型コロナ感染拡大後初めての運賃改定で、中国運輸局は各事業者に、ドライバーなどの労働環境の改善に取り組み、その成果の公表などを求めているということです。

先日のニュースで、人口減少で路線バスが廃止となった地区に乗り合いタクシーが試験導入されましたけど、公共交通機関のない地域にとって、タクシーって通院に使ったり買い物に使ったり…なくてはならない交通の足でもありますよね。

ドライバー不足がさらに深刻化すれば、地域の足がなくなると危惧されているんです。今後の運賃改定で人手不足は解消に向かうのか。タクシー業界では状況を注意して見守りたいとのことです。