レタスなどを低温に保ったまま出荷できる、いわゆる「コールドチェーン」に対応した野菜を集めて出荷する集出荷施設が、香川県観音寺市に完成しました。海外への輸出の増加などが期待されます。
新たな野菜の集出荷施設が完成したのは、観音寺市大野原町の「大平やさい」です。総事業費・約3億8千万円をかけた施設の目玉は、新たに導入した2台の「真空予冷装置」です。
(大平やさい 大平尚志社長)「『衛生管理とコールドチェーンの確立』というのは、どうしても今後必要になるだろうと思いまして、先読みした形での設備投資をしました」
「大平やさい」では、約22ヘクタールの農地で、レタスや玉ねぎなどを生産していますが、これまでは取りだめすることができず、廃棄していたものもありました。
新たに導入した真空予冷装置では、一度に3トンのレタスを真空で4度まで下げ、鮮度を保ちます。その野菜をこれまでの最大で5倍の冷蔵庫での保存が可能となります。また、大平やさいでは、レタス類をシンガポールや香港に輸出していますが、鮮度をさらに長持ちさせられることで、県内最大のレタスの産地・観音寺市の農業活性化にも期待がかかります。
(佐伯明浩 観音寺市長)「我々が作った農作物をここに出荷して『これが全国・全世界に持っていけるぞ』と、これからの農業産業・農業施策のひとつの大きな起爆剤になるのではないかと非常に期待しております」
(大平やさい 大平尚志社長)「海外に対してもっと日本の商品を販売して、『こんな商品が日本にあるんだよ』と広めたい」
大平やさいには、海外からレタス以外のブロッコリーやスイートコーンなどにも引き合いがあるということで、現在4億円の売り上げを将来的には10億円にしていきたいとしています。