治った兵隊はどこへ?
──治って退院した兵隊はどこに行くんですか?
(森原敏子さん)
「どこか知りません。私らの知ったことじゃない」
退院した兵士の行く先です。当時、回復が見込めない者は日本へ帰国させることになっていましたが、回復した者は前線に戻すのが原則でした。
兵士の移送先が共有されない理由には、新人看護婦の精神的な負担を減らす目的もあったのではと、川口教授は指摘します。
(大阪健康福祉短期大学 川口啓子名誉教授)
「戦争って人を殺すところでしょう。そこでけがをした人を助けてまた人を殺しに行きなさいっていうのはすごく矛盾している」
「精神的にはしんどかったとは思うけれども、看護婦たちは、目の前に患者さんがいたら助けるのが自分たちの使命だと思っているから」
救ったはずの命。しかし、救ったことで、彼らは再び戦いにかりだされていく。敏子さんは、患者の行く先を考えないようにしながら、業務にあたっていたといいます。









