「こんな苦しい目に遭わされてたんか」凄惨な遺品を前に崩れ落ちる

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目の前に突きつけられたのは、息子が受けた想像を絶する痛みの痕跡でした。ただの「証拠品」としてではなく、血に染まった遺品として直面させられることの過酷さと、再び事件当時に引き戻される、苦しい胸の内を明かします。

(堤 敏さん)
「司法解剖の所見には、こんなことが書かれてありました。

『傷を受けて出血し始めてから、どの程度の時間で死に至る出血量になったかと言われれば、明確には言えない。傷を受けてから少なくとも5分以内には出血となり、死亡したと思われます』

『ですので、被害者は傷を受けて即死というわけではなくて、しばらくは心臓が動き、意識もあったと思われます』

『実際、被害者は傷を受けた場所から自力歩行でおよそ70メートル歩いた場所で倒れた』と聞きました。即死ではないので、それも可能であったかと思います」

「ただ、『傷を受けてから意識を失うまでの間は、刺された傷による激痛を感じていたはずです。加えて、両肺が損傷して、血気胸も起こして、呼吸も苦しくなっていたはずです』

『そして、出血により血圧が低下して、意識朦朧となって、だんだんと寒さを感じて、冷や汗をかくなどして、やがて意識を失って倒れ、死に至ったものと考えられます』

そう書かれてました。まさに、息子が死に至る過程が書かれてあるんですよ」

「また事件からずっと、証拠品として警察に保管されていた息子の衣服、当時着ていたものが返されました。家内と2人で神戸地方検察庁まで取りに行きました」

「用意された部屋に入ると、テーブルの上にダンボールが1つ置かれてあって、それを開けると、息子が当時着ていた服とサンダルが一つずつ、ジップロックのような袋に入れられてました」

「それを一つひとつ出して、『これがTシャツです』と広げておいて、確認して、袋に入れる、また入れる、その繰り返しです。『これが履いていたパンツです』『これが履いていたサンダルです』と」

「それら全て、もう血だらけなんですよ。警察が捜査のために小さく切り取られた穴があちこち空いてて、それと刃物が刺さった部分は大きく裂けてるというような状態で、家内は途中でもう見ていられなくなって、その場を離れて椅子に座り込んでしまうっていうような感じでした」

「1つひとつを確認して、受け取ったというサインをして、印鑑を押す、その繰り返しの作業でした」

「司法解剖の所見、また衣服の引き取り、時期は違いますけども、その都度、『うわー、将太、お前はこんなひどい目に遭わされてたんか、こんな苦しい目に遭わされたんか』、一気に事件当時に引き戻される、そんな思いでした」