「何1つ見落としてはならない」1000ページの捜査資料
犯人逮捕によって明かされていく、最愛の息子の無惨な最期。あまりの苦痛に心が折れそうになりながらも、敏さんは「息子の生きた記録」から決して目を背けませんでした。
(堤 敏さん)
「犯人が逮捕されるまでの11年間は、事件の日、事件の時間、事件の瞬間、それだけを考えて、見つめて、過去を見て、後ろを見て過ごしていたんです」
「犯人が逮捕されてからは、今度は視線を180度変えて、公判のために、真実を解明するために、前を見て、未来を見据えて過ごす生活に変わりました」
「このときは、やっとスタートラインに立てた、そうも思ったんですけども、その変化はほんとにしんどいものでした」
「いろんなことがありました。それまで知らなかった情報が一気に入ってくる。警察の捜査書類や、犯人の供述書、司法解剖の所見、最初に検察庁から送られてきた書類だけでも、1000ページを超えるほどの分厚いファイルで、その内容は目を覆いたくなるようなことばかりでした」
「読んでは閉じて、読んでは閉じて、その繰り返し。涙が止まなくなってしまう、見ていられなくなる、そういうこともよくありました」
「けれども『これは将太の記録なんだ、何一つ見逃してはならない、何一つ見落としてはならない』、そう思って、何度も何度も時間をかけて読み返しました」










