■「油のようなものが空から降ってきた」いったいなぜ?

(従業員)
「今日の朝、他の従業員が見て、すごいことになっていたと聞いて」

今年8月、岡山県倉敷市で「油のようなものが空から降ってきた」との情報提供が。

聞き込みをすると、倉敷市の水島工業地帯にある事業所などに被害が集中していることがわかりました。

(従業員)
「サビだったら、こすったら取れると思うんです。拭いても全く取れないし、何なのかなみたいな。原因不明ですね」

調査の結果、工業地帯の中心部にある製油所から出た「油分を含む蒸気」であると判明。製油所に取材すると、機械の誤操作が原因で発生したとわかりました。

人的被害の報告はなかったといいますが、安全管理についても「ど~なっとん」との声が相次いだこの事案。製油所は「再発防止に努める」としています。
■妻が用水路に転落し死亡 転落事故多発の背景には岡山特有の事情があった

(妻を亡くした男性)
「ずっともう自転車に何十年と乗っていて、用水路に落ちたとか、そういったことは聞いたこともなかったので、正直、最初は、いえいえそんなはずないだろ。そんな、うちの妻のわけないだろって」

男性の妻は今年7月、自宅近くの用水路に転落し、死亡しました。

今年一年間で用水路や川に転落し死亡した事故は、自転車で走行中に起きたものだけでも6件確認されていています。調べてみると、用水路への転落事故には岡山特有の背景があることがわかりました。

「岡山市の土地柄ですね、非常に用水路が多い」

もともと農業が盛んだった岡山。農地が市街地になっても、水の供給や雨水の排水のため用水路は残されました。岡山県南部の大規模な干拓で農地が広がったことも、用水路の数を増やした要因だといいます。
「柵の設置」が、事故を防ぐ方法として最も一般的ですが…。

(岡山市道路港湾管理課 杉本章課長)
「相当な距離数がございますので、すべてやるっていうのは不可能に近い」

岡山市の用水路の総延長は、約4000キロ。「日本からベトナムまでの距離」に匹敵します。しかしここ数年で用水路の柵を設置できたのは、約13億円かけて90キロ分にとどまっています。
ハード対策に限界がある中、命を守るためには「身近に危険が潜んでいることを意識するしかない」ということでした。

(Report三輪響記者)
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