「計画的かつ狡猾」な手口

起訴状などによりますと、男の手口は「計画的かつ狡猾である」といいます。

2020年5月、男は、睡眠作用のある薬物を酒に混入した場合、“青色”に変色することを把握していて、一人旅をしていた女性Bに変色したことがばれないようにするため、“深緑色の抹茶カクテル”を提供しました。

薬物が混入されているとは知らず、そのカクテルを飲んだ女性Bは、急激な眠気に襲われ、宿泊施設の和室まで自ら歩いて移動し、睡眠状態になりました。

男は、薬物作用により、抵抗できない状態の女性Bの着衣を脱がせるなど、わいせつな行為をしたと見られています。

さらに、男は持っていた携帯電話で撮影し、自らのハードディスクに保存したといいます。

女性Bは、寝ている間に体を誰かに触られているなどの感覚がありましたが、夢の中の出来事だったと考え、被害に遭ったことに気づかないまま、ゲストハウス【画像⑤】をチェックアウトしたといいます。

【画像⑤】

睡眠作用などがある薬物について専門家は・・・

使われた睡眠作用などがある薬について、専門家たちは、

(法医学及び薬毒物の中毒学を専門とする教授)
「これらの薬を摂取した場合、薬を服用する前のことまでは覚えているが、薬を服用した後、一定期間の記憶がなくなる症状(薬剤性一過性前向健忘)が見られる」

「アルコールでも一過性前向健忘が起こり得るが、自己の飲酒量を把握している方なら、まず飲み過ぎたという認識があるはずである」

(臨床法中毒学を専門とする教授)
「薬物の場合はごく少量で作用するので、飲み過ぎたという認識がないのに、一過性前向健忘の症状があれば、薬物使用が強く疑われ、アルコールはこの薬の効果を増強する」

などと指摘しています。