高齢化が進むハンセン病療養所 その将来は?

「そういうことが今も続いているんですが、他方、各療養所では、在園者の数がどんどん高齢化によって減少してきておりました。

将来の構想というよりも、1人もいなくなった時にどうするのか。最後の1人までは一応対応するというのは取っているんですけども、1人もいなくなった後のことはまだ何の合意もできてないので、亡くなった後のそのそれぞれの療養所をどういう風に生かしていくのか、どこを残すのか、どういう機能を残すのかみたいな形を今各園で考え始めてるという状況にあります」

「奄美和光園が一番入所者数が少なくて10人を切ってしまいました。

和光園の永続化問題が今一番表に出てる状況にあります。奄美和光園は、市街地からすごく近いところにありまして、以前は山の反対側だったんですけど、トンネルができたために市街地から結構すぐ来れる状態になっています。

皮膚科の病院が近くにないということもあって、一般の方の外来も結構あるんです。そこで、病院機能を奄美和光園では残すべきだと。今の園をそのまま残すべきじゃないかということで、市民、それから、厚生労働省といろんな形で今議論を始めているところになっています」

「なかなかハードルが高い状況になっていましてそう簡単にはいかないんですけども、その残し方ですね。国立の療養所として残すのはなかなか難しいんじゃないかっていう意見もあるんですけども、いろんな形でこう国がお金を出して、運営を任せるみたいな形のやり方があるようなので、その辺りも今検討し始めているのが療養所永続化という問題になってきます」

長島「長島愛生園」「邑久光明園」がある

「昨年は、岡山で人権フォーラムが開かれまして、その時に日弁連の会長が岡山に来るということがありました。実はですね、日弁連会長は今までにどの園にも公式訪問したことがない。なかったんです。

そこで『もうここで行っておかないといけないよ』と声をかけたら『行きます』と言われて、ご案内をして来ました。その後、会長声明を出したりして、日弁連の方もこの問題についてはこれからも引き続き対応していきますということで声明を出しています」