■ほ乳類?魚類?それとも…
X線やCT検査の結果、腕や肩、首から頬にかけてもウロコが隠れていることが分かりました。
「胴体部分と上半身部分では異なる形状のウロコがある」
この画像では青色の矢印=胴体部分のウロコが丸みを帯びているのに対し黄色の矢印=腕の部分のウロコは”まきびし状”です。

(倉敷芸術科学大学 生命科学科 山野 ひとみ 准教授)
「一般的な魚では、体の部位によって多少形は違ったりしますけど、その構造が変わることはまずない。上半身と下半身が全く別の形状のウロコで覆われているということで、非常に特殊な形態を持っているということが言えると思います」
■保存状態の良さに驚き ”人魚のミイラ”への科学的・民族的アプローチは続く
様々な新事実が明らかになる「人魚のミイラ」ですが、研究者を一番驚かせたのはその保存状態でした。

(倉敷芸術科学大学 健康科学科 加藤 敬史 教授)
「普通はこういううものは、100年ぐらい経ちますと、虫が湧いたりだとかカビが生えたりだとかして崩壊していくんですけど、そういう崩壊とかがほとんど見られない。こういうものを大事に地域の方々が守り続けたことと、歴史の文脈の中でどういう風に伝来してきたものか。そういうものとセットで、人魚の正体を明らかにしたい」
これから、はく離したウロコのDNA分析や、いつ頃のものかを特定する放射性炭素年代測定も計画しています。古くは民間信仰の対象でもあった人魚のミイラの正体は?最終報告は、9月ごろの予定です。