なぜ「手押し式の消防ポンプ」が建設会社に?
それにしても、なぜ、建設会社に古い消防ポンプが保管されていたのでしょうか。

(兵恵建設 兵惠卓二会長)
「会社の新築のお祝いとして、協力業者の人から譲り受けました」
2007年に新社屋が完成した際、記念にプレゼントされたものとのこと。送り主は、骨董品を収集していた業者の人だったようです。
ーなぜ新築祝いにこれをプレゼントしたんでしょうか。
(兵恵建設 兵惠卓二会長)
「私が古いものを好きなものですから、その方にも気を使ってもらって…」
以来18年間、外部の人に知られることもなく、火災防止の「お守り」として、会社の玄関で大切に保管されてきました。

しかし、ひょんなことからポンプの故郷一宮地区の住人にその存在が知られることに…。
(津山圏域消防組合消防本部職員 木村献二さん)
「兵恵さんにお願いして(住宅を)リフォームしている途中にポンプの写真をみせてもらって」
兵恵建設に住宅のリフォームを依頼した木村さん。偶然にも、一宮地区に住む消防職員だったのです。不思議な縁を感じた兵惠会長が、木村さんにポンプの話をしたところ…。
(津山圏域消防組合消防本部職員 木村献二さん)
「これは何かの運命だと。厚かましい話ですけど、私たちの地域の防火防災のシンボルとしていただきたいなと…」
会社に置いてあるよりは、故郷で大切にされたほうがポンプも喜ぶと、兵惠会長はこの申し出を快諾。
「よいしょ~」
こうしてポンプは、一宮地区の消防団に寄贈されることになったのです。
(兵恵建設 兵惠卓二会長)
「なんだかちょっと寂しい感じもします。娘が嫁に行くという感じで…」