だんだんと温かくなって、春を感じる日が増えてきました。夕暮れ時に河川敷などを歩いていると目の前が黒っぽくもやっとしていて、目を凝らすと小さな虫の集団だった!という経験はありますか?
おそらく「ユスリカ」という小さな虫が群れて飛んでいる「蚊柱」ではないでしょうか。
筆者は、高校時代、自転車通学をしていた際、よくその「蚊柱」に突入してしまい、小さな虫が目や口に入って嫌な思いをしました。
どうして、あんなにも密集するのでしょうか。害虫駆除に詳しい東洋産業の大野竜徳さんにうかがいました。

「蚊柱」を形成するユスリカは身近な虫
ーユスリカは、どんな虫なのでしょうか。
(東洋産業 大野竜徳さん)
「ユスリカはどんな虫かというと、カという名前が示す通り、蚊に近い仲間です。水中に生まれた卵から幼虫が孵化(ふか)してきます」
「幼虫は水の底の泥や細かなゴミの中に潜んでいて、自分の巣を作ったりもします。エサは水中を漂ったり、沈んだりしている細かな有機物。泥の底でひっそり生活しているため、酸素が少ないところも多いため、私たちと同じような、ヘモグロビンのようなものを含む赤い血を持つものもいます」

(大野さん)
「幼虫は成長すると蛹になって水面に浮きあがり、しばらく経つと成虫へと羽化します。羽化した成虫はパートナーと出会うためだけに残りの命をかけ、無事ゴールインするとメスは産卵して一生を終えます」
「珍しい虫ではなく、例えばお魚を飼育されている方であれば「赤虫」という名前のエサ、これは赤い色をしたユスリカの幼虫ですね。成虫は夜に明かりによってくる虫の中でもかなりよく目にする仲間です」