今年で終戦から77年です。戦地では多くの若者が命を落としました。瀬戸内市で開かれた「無言館展」には、画家を目指しながらも戦地に散った、多くの画学生たちの絵画が展示されました。


岡山県笠岡市出身の日本画家、小野竹喬の長男もその一人です。暖かい画風で知られる竹喬ですが、最愛の息子の死後に描かれた作品から滲みていたのは、「深い悲しみ」と「喪失」でした。

■文化勲章も受章した日本画家・小野竹喬の作品は優しさや温かさが魅力

岡山県笠岡市出身の日本画家、小野竹喬の作品
淡い色使いが特徴
淡い色使いで描かれた空と雲から優しさや温かさが伝わる

淡い色使いで描かれた空と雲から伝わる「優しさ」や「温かさ」…岡山県笠岡市出身の日本画家、小野竹喬の作品です。

■「雲の画家」と呼ばれた小野竹喬

京都で日本画を学び、75年間、日本の美しい自然を描き続けた
季節や時間によって移り変わる空や雲を多く描き残し
「雲の画家」とも称された

京都で日本画を学び、75年間の画業を通して日本の美しい自然を描き続けてきました。季節や時間によって移り変わる空や雲を多く描きのこし、「雲の画家」とも称されたほどです。

小野竹喬 生前のインタビューより

小野竹喬
「『お前の雪の絵に冷たい感じがないじゃないか』と人に言われるときがあるんですけれど、雪の絵を描いてもあたたかいという、これはもう仕方ありませんね。そういう人柄というのか、心持ちが出ますのでね。これは自分の素質なんでしょう。」