”自分にできること”が 見つかる本

1月1日に発生した大地震と津波により、石川県の能登半島を中心に北陸の広い範囲に被害が出ています。

ライフラインや道路の復旧も追いつかず「今は個人でボランティアに来ることは控えて」という異例の呼びかけも行われる中、歯がゆい思いをしている人は多いのではないでしょうか。

私たちが暮らす熊本から、今、そしてこれから先、どんなことができるのか…

紹介したい本があります。

『 大切な人が被災したときに、自分にできることが見つかる本 』
発行:BRIDGE KUMAMOTO( ブリッジ クマモト )

2020年に熊本県南部を中心に甚大な被害がでた「令和2年7月豪雨」をきっかけに生まれた本です。

今回の能登半島地震と事情は違いますが、熊本の7月豪雨でも、当初「ボランティアは県内に住む人限定」とされました。

なぜなら、当時は2020年7月というコロナ禍真っただ中。被災地での感染の広がりを防ぐため、苦渋の判断でした。

今、この記事を読んでいる「あなた」は、次のうち、どんな立場ですか?
▼被災地( もしくは 被災地のそば )にいる人
▼被災地から離れた場所にいる人
▼ボランティア経験がある人
▼ボランティア経験がない人

この本には、7月豪雨の被災地でボランティアをした人からのアドバイスや、現地には行けずとも、離れた場所からエールを送った人の経験談がつづられていて、それぞれの立場で『 できること 』を提案しています。

たとえば、「遠くからでも何かできないか」と考えたある人は、被災地から離れた場所に拠点を構え、そこで物資を募り整理して、被害状況によって各所に振り分ける支援を行いました。

つまり「被災地入りする人たちを支える側 」、後方支援に回ったのです。

『 現地に行って体を動かすことだけが、被災地支援ではない 』

この本には、そんなメッセージが込められています。

2022年に出版されてから各地で無料配布され、4000部以上が人々の手に渡りました。

本の内容は、インターネットでも無料公開されています。

出版に携わった村上直子さんです。2011年の東日本大震災のとき、東京で暮らしていました。

ブリッジクマモト 村上直子さん「東日本大震災に対して感じていることや情報量が、地域や人によって違うことに違和感があり、『伝える』ことは大事だと思った」

その後、今度は ふるさと・熊本が、地震や水害など大きな災害につづけて見舞われます。

村上さん「私自身は東日本大震災から学ばせてもらい、いろんな災害から学ばせてもらった。自分がどのポジション・立場になるか想像しながら読んでもらえるような、(災害について)あまり分からないという方にとって『きっかけの1冊』になったらうれしい」

そして既に動いている人たち 、『できること』をすでに始めている人たちも、 たくさんいます。