昭和47年(1972年)12月、宇土市花園町の佐野地区で行われた「甘酒まつり」の映像です。

佐野山王神社で700年以上前から行われている祭礼ですが、若い衆が甘酒を振りまきながら集落を巡り住民の無病息災を願うというユニークな神事が行われることから、別名「甘酒まつり」と呼ばれています。

当時ニュースはこう伝えています。「宇土市に古くから伝わる奇祭・甘酒まつりが今日賑やかにおこなわれました。この甘酒まつりは宇土市花園の佐野地区に古くから伝わっているもので、秋の実りを感謝する行事です。

きょうは地域の人たちが小高い丘の上にある山王神社に甘酒を持って集まりました。そして山王神社の守り神、日吉大権現が可愛がっていたというサルをまねた若者達が、真っ赤な肌着に黄色い頬被りという珍妙ないでたちで甘酒を奪い合います。

若者達は甘酒の入った徳利を中心に揉み合い、徳利を手に入れた者が勢い良く大地に振りまくと、見物人は わーっ!と逃げ惑います。こうして一軒一軒氏子の家をまわり、秋の収穫と家々の無病息災を祈りながら、甘酒を振りまくという奇妙な祭りは、最高潮に達するのです。」