10月18日(水)に報じた「天草市の漁港で魚大量死」について、いったい魚が大量死した原因は何なのか。

漁港で『大量の魚が浮いている』のが見つかる 数日前から海面に浮かぶ 死骸は冷凍して餌や肥料にすることなどを検討 熊本・天草市
今回、熊本博物館の学芸員の清水稔(しみず みのる)先生に聞きました。
考えられる2つの仮説
あくまで推測ですがという前提で…考えられるのは2つの仮説です。

仮説1)病気説
大量死したイワシのエラ、腹部を見てみると、わずかに出血が見られ、「感染症」が疑われるそう。しかし、その場合「漁港以外」の魚も死んでしまいます。
今回は、漁港でみられた局所的ものなので「病気説」は考えにくいだろうということでした。
仮説2)捕食者説
ブリやシイラなどの大型魚にイワシが追い込まれて死んでしまったのではないかという説です。
大型魚に追い込まれた!?
では、この「追い込まれ」説で死んでしまったとすると、直接的な原因が2つ考えられます。

①酸欠
大型魚に追い込まれた後、漁港に魚がいっぱい押し寄せてしまい、魚が密集することで酸素濃度が低下してしまい酸欠になった。
そしてもう一つが…。
②塩分濃度の急激な変化

今回の漁港、2本の川が流れ込んでいる場所にあります。
海へとつながる入口が狭く、海水が漁港に流れ込みにくいため、川の水が溜まり塩分濃度が急激に変化していることが考えられるそう。そして海水から川の水、淡水へと追い込まれたことによって、急激な塩分濃度の変化にイワシが耐えられなかったのではないか、というものです。
清水さんはこの2番目の原因でイワシが大量死したのではないかとみています。