挑戦するか役場にとどまるか
去年12月に第4子になる、長女・冬彩(とあ)ちゃんが誕生し、家族は6人に。
家族を支える立場でもあり、挑戦するか役場にとどまるか、悩み続けたと言います。

妻・美帆さん「いろいろ考えているんだろうなというのはわかっていたので。話を聞いた時が妊娠中で、一瞬大丈夫かなというのはありましたが、なんとかなるかなと」

球磨村は2020年の国勢調査で人口減少率が全国トップになるなど、地下さんには「球磨村はこのままではダメだ」という思いがありました。
地下さん「ぜひ成功させて、プロジェクトに関わったみんなで喜びを分かち合いたい。そういうのをイメージしながら頑張りたいです」
転職から4か月が経った8月。
新たな仕事のリズムを掴みながらもマラソンへの挑戦も続けていました。

この日は勤務前の午前中に球磨川の河川敷で、ジョギングと強度を上げた走り込みをおよそ1時間。
35歳と年齢的にはベテランの域に差し掛かっていますが、見据えるのは「進化」です。
地下さん「コロナ前、被災前、最後熊本城マラソンを走って『良かったあの頃』のイメージにまずは戻したいなと。早く戻すことができればある程度マラソンであったり、自己ベスト(2時間17分6秒)が見えてくるかなという感じです」

地下さんは、11月に行われる神戸マラソンに出場予定です。
走り終えると職場へ。

新型コロナと豪雨災害で閉業していた、宿泊施設とレストランの営業を再開させるための準備が進められていました。当初、7月頃の開業を目指していましたが、工事の遅れなどもあり、9月に。待ちに待ったリニューアルオープンです。
地下さん「新しいことをやる時は絶対予定通りにはいかないというか、そういうところがほとんどだと思うので “とにかく始められるように” というのがあります」
そして、9月16日、リニューアルオープンの日。
かわせみのレストランには3年ぶりの笑顔が広がっていました。

元従業員「以前ここでお仕事させてもらっていたので、水害後に復活すると聞いてとても嬉しいです」

元同僚「地下さんのステータスを生かしてぜひともこれからの船出を役場としても応援したいです」

豪雨災害で失ったものも、得たものもあると話す地下さん。
立場は変われど目指す場所は同じです。
地下さん「役場にいようが『かわせみ』にいようが球磨村のためにというところは目的がずれていないので、村のこれからのために頑張っていければと思います」










