災害でなくなる命、減らしたい

娘のことを多くの人に知ってもらいたいと、智子さんは最近、講演活動を始めました。

松元智子さん「災害に遭遇し、今まで普通に受けられていた診療が受けられなくなったことで地域の医療格差を身をもって感じた」

活動の名は「KARIN project(かりんプロジェクト)」です。

同じく娘を亡くした宮﨑さくらさんとともに、医療関係者や学生を前にあの時の経験を話し、災害でなくなる命を少しでも減らしたいと考えたのです。

活動を始めてまもなく3年。話を聞いた人は全国で1000人近くに上ります。

今年3月、さくらさんの姿は新潟市にありました。

訪れたのは日本災害医療学会です。

全国の医療関係者を前に語り掛けました。

宮﨑さくらさん「災害関連死という学びを悲しみにとどまらせず、防災意識の向上と災害関連死を減らす担い手の育成につなげていく。それが活動の意義です」

講演のあと一人の男性が近寄ってきました。

熊本大学の笠岡俊志教授です。

熊本でも「かりんプロジェクト」を始めたいと依頼したのです。

熊本大医学部 笠岡俊志教授「連携させていただけたらと思う」

宮﨑さくらさん「ぜひお願いします。ありがとうございます」

宮﨑さくらさん「いずれ花梨のところに行った時に、『頑張ったね』と言ってもらえるよう過ごしていくと家族で約束しているので、それに一つ近づけたかな」

あの日の出来事をどう教訓にしていくかが大切と語るさくらさん。

熊本地震から10年です。

<後編はこちら>
「最後までうちで治療すべきだった」 耐震不足の病院が守れなかった命 工事延期した市長の「後悔」 青森で同じケースも 熊本地震10年【熊本市民病院・後編】