音楽や踊りが大好きだった
宮崎市に住む松元智子さん(49)は10年前、当時1歳8か月だった娘の葵ちゃんを亡くしました。

「葵ちゃん、お話するね、上手やね」
葵ちゃんは生まれつき心臓に病気を抱えていましたが、宮崎県には対応できる病院がありませんでした。
そのため子どもの心臓手術で実績のあった熊本市民病院を頼っていました。
音楽や踊りが大好きだった葵ちゃん。
入院中に熊本地震が起き、病棟が損壊したため、一度退院することになりました。
松元智子さん「どこに入院したんだろうというのがあったけど、熊本は地震が起きて怖いというのがあったので、宮崎に帰れるというのは正直、安心感もあった」
その後、宮崎市内の別の病院に入院しましたが、徐々に容体が悪化し、地震1か月半後の6月1日、葵ちゃんは息を引き取りました。
熊本市民病院の主治医とは連絡を取り合っていましたが、入院先が変わったことの影響は智子さんの想像以上でした。
松元智子さん「どうしたら良いんだろうと八方ふさがりの状態だった。どうやったら葵を助けることができたのか、あの時どう動いたら良かったんだろうと今でも思っている」

智子さんは3年前、手元に置いていた葵ちゃんの遺骨を海が見える高台の墓に納めました。
ただ、今でも葵ちゃんが亡くなった病院に足を運ぶのはつらく、災害関連死の申請をしていません。
つまり、葵ちゃんは熊本地震の死者278人に含まれていません。
松元智子さん「都会の病院が被災して戻って来るしかなかった時に、その方たちをほったらかしで良いのか。どうしたら良いか、どこに行ったら良いかを教えてくれる場があったら助かる子、災害関連死になる必要のない子がいっぱいたんじゃないかな」












