2人乗りの「タンデム自転車」を見たことがありますか?この自転車で、ある“挑戦”をした人がいます。

72歳、目は「ほとんど見えない」男性が選んだ挑戦

「球磨川を渡りますね、ちょっと上ります」

「左に曲がります」

今年(2025年)3月。パイロットの後ろで、呼吸を合わせながらタンデム自転車をこぎ進める男性がいました。福山洋二(ふくやま ようじ)さん、72歳です。

前に乗るパイロットと共に自転車をこぐ、福山洋二さん

福山さんは、左右の目がほとんど見えないといいます。

福山洋二さん「生まれた時から目が見えなくて。だから左目の視力は0。右目は進行性の病気でだんだん視力が弱っていって、小学3年生になった時には見えなくなった」

そんな福山さんが挑戦したのが、熊本県の人吉・球磨地域の35の札所を巡る「相良三十三観音」です。5か月前に挑戦を始め、記帳を続けてきました。

福山さん「三十三観音に興味があったから。何かのかたちで回ってみたいなと」

パイロットに支えられながら札所を巡る