「シャツの袖」が事態を動かした
そのため無罪確定後の2020年、宮田さんは捜査の違法性などを明らかにするために国や県を相手取って裁判を起こし、この年に宮田さんが87歳で亡くなった後は、遺族が裁判を引き継ぎました。

裁判で遺族側は、
①宮田さんの無実を証明する「シャツの袖」が起訴した後に見つかっていたのに、法廷に提出せず隠していたこと
②警察や検察が長時間の違法な取り調べで宮田さんに自白を強要したこと
主にこの2点について捜査の違法性を訴えていて、裁判所がどのように判断するのかが焦点でした。
判決は
そして3月14日の判決。熊本地裁の品川英基(しながわ ひでき)裁判長は、国の違法性を認め、賠償を命じました。

判決で品川裁判長は、争点となった証拠の扱いの違法性について「真実の発見に協力すべき検察官は、被告人質問などでシャツの袖の存在を明らかにすべきだった」と指摘しました。
判決を受けて、記者会見を開いた宮田さんの遺族の弁護団は…。
原告側弁護団 齊藤誠弁護士「国に対して勝訴したのは良かったが、警察の捜査の違法性、そこに判決が踏み込んでいない」
このように述べ、控訴するかどうかは遺族と協議して決めると述べました。