「松橋事件」とは?時系列で詳しく解説

そもそも「松橋事件」とは、どのような事件なのでしょうか。

1985年に発生したこの事件は、当時の熊本県松橋町(まつばせまち)、現在の宇城市で男性が何者かに殺され、男性の知人で当時51歳だった宮田浩喜さんが逮捕されました。

1985年 事件発生当時の松橋町

警察や検察は「宮田さんから自白を得た」として逮捕・起訴しましたが、宮田さんは「取り調べでうその自白をさせられた」と無実を主張。

最高裁まで争いましたが、裁判所は宮田さんの自白だけで懲役13年の判決を確定させ、1999年まで服役しました。

事件から34年…言い渡された「無罪」

しかし宮田さんの自白と異なる物証が熊本地検に残っていたことなどが弁護団の調査で判明し、2012年に弁護団が再審を請求。そして2019年。

記者(2019年3月28日)「無罪です。34年前の松橋事件で無罪判決です。弁護団の粘り強い活動が実を結びました」

2019年

熊本地裁は宮田さんの自白の信用性を否定したうえで、「宮田さんが犯人であることを示す証拠はない」として無罪を言い渡しました。

ただ、この判決では冤罪(えんざい)につながった原因について言及はありませんでした。