熊本市役所本庁舎の建て替えの賛否を問う住民投票について、市議会が出した答えは「必要ない」でした。

臨時議会最終日のきょう(1月17日)、建て替えの賛否を問うための住民投票の条例案を巡り、9人の市議が質疑と討論を行いました。

創生熊本 髙本一臣市議「外部有識者の答申を踏まえ『建て替え前提』で進められており、住民合意という最も必要不可欠なプロセスを軽んじている」

熊本自民 澤田昌作市議「総合的に勘案すれば、この状況でこの時期に住民投票を実施せざるを得ないという状況には至ってない」

一方、大西市長は、「単に賛否を問う住民投票は認めがたい」として、すでに反対の立場を表明。

議会の判断は。

寺本義勝議長「本案を可決することに賛成の議員の起立、または挙手を求めます」
「起立少数。よって本案は否決されました」

賛成8人に対し、反対は37人。住民投票は実施しないことが決まりました。

議会終了後のインタビューで、大西市長は。

熊本市 大西一史市長「冷静に審議いただいた結果、住民投票条例の制定は否決された」

一方、住民投票に向けて署名を集めた市民団体の代表は。

熊本市新庁舎建設の賛否を問う住民投票をすすめる会 西川文武代表「会派の意向に沿って回答したことで、議会が機能していないことが広く世間に広まった」

「賛成」「反対」それぞれの意見は

議員たちの判断は賛成8人、反対37人でした。それぞれの立場から出た意見の一部です。

【賛成の議員】

「法に基づいて請求したので、重く受け止めるべき」

「市民と十分に議論を重ねて選択肢の案を絞っていくべき」

【反対の議員】

「もっと早く請求すべき。過去の議論が無意味になる」

「条例案には複数の不備があり得られる結果に疑念が残る」