通報者を守るため…保護制度はどう変わる? 

消費者庁が「相談・通報したことがある」476人にその後の心情を尋ねたアンケートでは、通報者の17.2%が「不利益な取り扱いを受けた」などの理由で「通報や相談をして後悔している」と回答しています。

通報者のその後を守るため、国の検討会がまとめた報告書の主なポイントは以下の2つです。

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【公益通報者保護制度検討会の報告書より】

①『公益通報を理由に、通報者を解雇や懲戒処分した事業者などに“刑事罰”』
→意思決定に関与した個人も対象

②『通報者を探す行為を法律で禁止』
→反社会性の高い行為とまでは言えないとして罰則なし

③「解雇や懲戒処分の妥当性を争う裁判の立証責任を、通報者ではなく事業者に課す」
→通報者の負担軽減のため

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この報告書を、専門家はどのように受け止めているのでしょうか。

公益通報に詳しい淑徳大学の日野勝吾(ひの しょうご)教授は。

益通報に詳しい 淑徳大学 日野勝吾教授「刑事罰をつけるというところは、不利益な取り扱いを抑止的に未然に予防するという力を持つであろうと思いますし、声を上げやすい制度に向けて一歩前進だと思っています」

一方、公益通報を専門にする光前幸一(こうぜん こういち)弁護士は、刑事罰自体に懐疑的な立場です。

公益通報に詳しい 光前幸一弁護士「組織にとってみたらそんな罰金大したことないので、そんなもので通報リスクに対する不安の解消には全くならない」