熊本県の八代(やつしろ)市に「鮒取り神事(ふなとりしんじ)」という800年以上の歴史を持つ祭りがあります。
地域の人たちが「奇祭」というこの祭りの舞台裏を取材しました。
きょう(4月29日)行われた鮒取り神事。新型コロナウイルスの影響で実施が見送られていたため、今回が5年ぶりです。
池のなかのフナを見物客に献上する意味で、男たちが投げて池の外にあげるのです。
五穀豊穣を願うこの祭りの実行委員会は・・・
鮒取り神事実行委員会 森雅臣さん(68)
「奇祭ですよ!こんなぶっちゃけた祭りは他にはないと思う」

この神事は、その昔、暴徒の鎮圧のため石川宿禰(いしかわのすくね)が九州に立ち寄った時、天気が悪く、海の幸が手に入らなかったため地元の若者たちが池で捕まえたフナを献上したという故事に由来しています。

森さん「感謝の思いが自然の中での営みに溶け込んで大事にされてきている。何百年と続く歴史の重みがそこにあると思います」