夏場の厳しい電力需給に備え、九州電力は10日午後11時に、佐賀県にある玄海原発4号機の運転を一時的に再開しました。九電は供給力を確保するとともに、節電ポイントの還元率を上げて、無理のない範囲での節電を呼びかけています。

◆原発の定期検査を前倒し


観測史上初めて6月に梅雨明けした九州北部地方。九州電力は10日午後11時、佐賀県玄海町にある「玄海原発4号機」の原子炉を起動しました。夏場の厳しい電力需給に備えて、9月21日までの予定だった定期検査の作業を前倒ししたものです。

九州電力 池辺和弘社長「需給ひっ迫の中で、やはり原子力の果たす役割は大きいと思います」


11日午前10時45分に臨界に到達、13日から発電を再開し、8月上旬には通常運転となります。出力は118万kWで、1か月運転すれば、約350万世帯が1か月使用する電力をカバーできるとしています。

◆ここ数年で最も厳しい見通し

九州電力 池辺和弘社長「今年度の夏の電力需給は、安定供給に必要な供給予備率3%を確保できる見通しではあるものの、供給予備率がここ数年で最も厳しい見通しとなっております」


九州電力は、8月から計画停止を予定していた福岡県苅田町の石炭火力発電「苅田新1号機」についても活用を検討しています。

◆エステサロンでは・・・

福岡市南区でエステサロンを営む小宮麻実子さんです。この日は、購入したエアコンの取り付け作業が行われていました。


小宮麻実子さん「自宅サロンになっていて、奥に脱毛器もあるんですけど、スイッチを入れたら熱風で・・・お客さんに『すいませんね』と言いながら施術させてもらっていました。一応、このプチプチを冷気も出にくい、熱も入りいくいというのではってはみたものの、まあ暑い。念願のエアコンがきょう来ます」

5月からエアコンを探していましたが、予算に見合った商品がなかなか見つからなかったそうです。

小宮麻実子さん「付きました。よかったです、涼しいです」

◆節電を日頃から意識

4人の子供がいる小宮さん。日頃から節電は意識していると話します。


小宮麻実子さん「子だくさんなので、電気の消し忘れがわかりにくいからですね、トイレは人感センサーにしています」

また、この夏は冷蔵庫の温度調節も「強」から「エコモード」に切り替えました。

◆企業にも広がる節電

企業にも節電の動きは広まっています。家電量販店のテレビ売り場、ほとんどのテレビの電源が入っていません。


ベスト電器福岡本店 伊藤聡一郎さん「必要最低限の電源をつけて、客から要望があった商品はその場で電源を入れて案内をしている」