さらに進むと“植物地帯”が待っていた

一息つく間もなく、先を目指す。木々が生い茂った山の稜線、「痩せ尾根」と呼ばれる細い登山道の脇には様々な植物地帯が広がっていた。自生するシャクナゲは数年おきにしか咲かないという。

ガイド・馬場敏晴さん「これがシャクナゲ地帯ですね、4月には花が咲いてましたけど
見れたらラッキーですね。花の季節は難しいので、早かったり遅かったり」

「最強の低山」と呼ばれる2つ目の所以、それは数千種類とも言われる「植物の宝庫」でもあることだった。

この頃、山を登り始めて2時間が経過していた。体力の限界が近づき美しい植物を堪能する余裕はない。機材のあるカメラマンの表情はより険しい。

どうしようもなくきついが“はまる”人続出

さらに30分登った時だった。

「うわーこれは広い、高い。これは気持ちいい」

疲れ果てた取材班を迎えてくれたのは、澄み切った青空と深い緑の山々。そう、「最強の低山」の3つ目の理由は、疲れを吹き飛ばす“絶景”だった。

この喜びを分かち合いたい。ちょうど登山客がいた。

登山客「ほぼ毎日登ります。飽きない、それが1番」
登山客「変化に富んでますよね。ロープがあり岩登りがあり、それからきつい!きついけどやっぱり達成感があります」

絶景の余韻に浸るのも束の間、下りも岩場を滑り降りるような急斜面が続く。取材班は日常を忘れ、ただひたすら山と向き合う不思議な心地良さを感じながら山を後にしたのだった。