◆無料化で利用増加「予約が取れなくて…」

子供を育てる親にとっては大きな支援となりましたが、「無償化」による課題も浮上しています。
女性「朝、病児保育の前に並んで順番待ちするか、朝の8時になった瞬間に電話して依頼するか。8時ジャストに電話しないとずっと話し中で、つながるのは8時半みたいになって、やっとつながったと思ったら『予約でいっぱいになりました』と言われることがあって、けっこう辛いです」
1歳の子を持つ記者も実際に予約してみると…

RKB大北瑞季「現在、午後3時1分です、前日の午後3時に予約の受付がスタートする施設を予約してみます。……もうすでにキャンセル待ちになってしまいました」
「大名よねくら小児科クリニック」に併設されている病児保育施設でも、4月以降は予約が倍増。子供を預けることができない親が出てきているといいます。
大名よねくら小児科クリニック 米倉順孝院長「2~3月は1日平均の希望数が12件。現在では1日平均で予約希望が20件、もう3倍くらいの人をお断りしているという状況です」
「病児保育」の利用者は、県内の半分ほどの自治体で増加しています。利用者の増加に伴い、体調を崩した子供を預けにくくなっている現状について、福岡県の担当者は「無償化になったことで、これまで1~2日間の利用だった人が3日間など連日使うようになった」と分析しています。
◆「受け入れ先の整備」が課題

大名よねくら小児科クリニック 米倉順孝院長「新型コロナの流行で3年間感染対策をし続けましたので、3年間は子供たちの感染症の流行がかなり抑えられていました。今、急激にいろいろな感染症が回り出して、子供たちがどんどん感染症にかかってしまうということが起こっています」
女性「予約システムが小児科によってバラバラなので、システムを一元化してどれくらいの空き枠がありそうかわかるといいかな、と思う。より重い患者さんは『病児保育』でみて、回復傾向の方は『病後児保育』でみてもらうシステムがあったらすごくいいかなと思います」

働く親の「駆け込み寺」ともいえる「病児保育」。その「無償化」は若い世代の出産や子育てへの大きな後押しなるものですが、受け入れ先の整備という課題も残されています。







