急な発熱などの体調不良で学校や保育園などに行けない子供を、一時的に預かる「病児保育」について、福岡県はこれまで1人1日あたり2000円だった利用料を4月から無償にしました。利用する親から喜びの声が聞かれる一方で「無償化」による課題も浮かび上がっています。
◆「仕事を持つ親に強い味方」

福岡市中央区にある「大名よねくら小児科クリニック」に朝8時すぎ、小さな子を連れた母親が診察にきました。
看護師「食欲はいつもと比べてどうですか?」
母「ちょっとつまんでるくらいですね、朝ご飯」
看護師「青い椅子に座りましょう」
医師「おはよう。お腹がグルグル鳴っているので、夏風邪に特徴的な症状かな」
子供「バイバイ」
診察を終えた子が向かうのは、クリニックに併設された保育室。急な発熱や体調不良の子を一時的に預かる「病児保育」です。
母親「お菓子とかいろいろ、食べられるものを食べさせてください」
保育士「ママに『いってらっしゃい』できる?」
学校や保育園に行けない子供を預かる「病児保育」は、仕事を持つ親にとって強い味方となっています。
◆急な発熱…「一番頼れる存在」病児保育

保育士「大丈夫だよ、お友達が待ってるよ、ほら、ちっちゃなお友達が待ってるよ」
「病児保育」では、食事や遊びなど基本的に通常の保育園と同じように過ごしますが、必要に応じて医師の診察、薬の投与、検温などが行われます。
「こんにちは~」
現在、1歳と6歳の子を育てている共働きの女性。実家も遠方のため、多い時で月に1回程度「病児保育」を利用している、といいます。
女性「いつ2人そろってお熱出すかとヒヤヒヤしていますし、急なお熱があった時に一番頼れる存在です」
◆「気持ちの負担が軽くなった」

福岡県は、これまでひとり1日あたり2000円だった「病児保育」の利用料を2023年4月から無償にしました(給食費除く)。
女性「お兄ちゃんの時は、ずっと熱が下がらなくて2週間くらい病児保育に預けていた時もあったので、大変な上に経済的な負担もかかって、『泣きっ面に蜂』みたいな苦しい状況だったんですけど、今は経済的負担がないとなると、ちょっとでも気持ちの負担が軽くなるかなと思います」







