収益金で像を建立 遺族の援護にも
<戦争犯罪裁判概史要(1973年法務省)>
この書は、三版を重ねて益金も生じたので、これをもって東京駅前に「愛の像」(地上高さ9メートル余。2・7メートルの円筒台石に3メートル余のブロンズ)を建立し、(昭和30年11月11日除幕式)残余は刑死者、獄死者の貧困遺族の援護に充てた。こうして初期の目的を達した後、版権を白菊遺族会(戦犯刑死者の遺族会)に移譲し、その益金は以後の遺族援助資金に充てることとし、昭和29年(1954)11月の第四版以降は白菊遺族会によって続刊されたのである。
「世紀の遺書」の冒頭には、遺書編纂会の顧問を務めた田嶋隆純教誨師の手による序文がある。
<「世紀の遺書」序文 田嶋隆純教誨師>
戦犯者に対する見方は種々ありましょうが、高所より見ればこれも世界を覆う矛盾の所産であって、千人もの人々が極刑の判決のもとに、数カ月或は数年に亘って死を直視し、そして命を断たれていったと云うことは史上かつてなかったことであります。恐らくこれ程現代の矛盾を痛感し、これと苦闘した人々はありますまい。一切から見離された孤独な人間として単身この矛盾に対し、刻々迫る死を解決しなければなりませんでした。それは自身との対決であり、同時に真理を求める静かな闘いでもあったのです。







