北九州市長選挙の告示まで2週間あまりとなりました。地元企業のトップたちが次期市長に望むものは何なのか「賀詞交歓会」の会場で聞きました。財界からはさまざまな注文が飛び出しました。目立ったのは“人材流出”を懸念する声です。未来を担う有望な人たちを地元につなぎとめられるか、次期首長の手腕が問われています。

◆2023年がターニングポイントに?新市長に期待すること

北九州商工会議所・津田純嗣会頭「あと何年か先に振り返ってみると、2023年が好転に向かうターニングポイントの年であったと言えるようウサギ跳びの前進で流れを変える1年と、皆でいたしましょう」

北九州商工会議所が主催する新年恒例の賀詞交歓会には、地元企業の経営者など約1000人が集まりました。

RKB黒木秀弥「来月5日に投開票が行われる北九州市長選挙。地元企業のトップは、新市長に何を期待しているのでしょうか」

◆タクシー会社「他社と手を取り共創」

第一交通産業・田中亮一郎社長「キーワードは共創です。今まで色々なところで違う競争が起きてた。これからは強いところをスピーディに補強していくために、同業他社もそうだし、異業種ともうまく仕組みを使って交流じゃなくて実際に仕事をしていく仕組みを作っていかないといけない。そういうところを考えられる市長になっていただきたい」

◆航空会社「インバウンドは平和の継承」

スターフライヤー・横江友則会長「国内外のインバウンドの取り込みと相互理解と平和の継承。海外の方もこれからたくさんお越しになると思うが、ただお金をいただくことではなくて相互理解することによって、国と国との関係をよくしていくことが大事です。インバウンドの位置づけを平和を継承するという風に位置づけていただいて、九州を中心に輪を広げていただけたら」

◆住宅設備メーカー「次の世代もこの街に残れるように」

各企業のトップが、口をそろえて市の課題に挙げたのが「人材の流出」です。

TOTO・清田徳明社長「キーワードは跳。新しい世代がリーダーになられて大きく北九州市が飛躍して、卯年ですので、大きく跳べるように、そういう市政を期待したい。特に期待したいのは若い方です。次の世代がこの街に残って、もっともっと盛り上げていこうと。そのためには色々な思い出づくりも必要ですし、いろいろな形の施策が必要」

◆産業ロボットメーカー「子育てと教育を充実させて」

北九州市の人口は、1979年の107万人をピークに減少が続き、去年12月時点で92万人余りまで減っています。そんな中で、企業のトップが期待するのは、北九州市全体の街としての魅力づくりです。

安川電機・津田純嗣特別顧問「“暮らしの街・北九州”です。従業員がここで気持ちよく働いて気持ち良く暮らしてたくさん子供ができると、そういう街にわれわれとしてもやっていきたい。まずは子育て。子供を作って子供を子供を育てて、あと教育。こういうところがしっかり充実しているのが第一」

◆プロサッカーチーム「街の魅力のアピールが必要」

北九州市は、NPO法人が毎年実施する子育て支援の取り組み状況についてのランキングで、政令市の中では11年連続で1位となっています。こうした街の魅力をもっとアピールするべきとの声も聞かれました。

ギラヴァンツ北九州・石田真一社長「次期市長に期待するのは“元気なまちづくり”北九州は良い街、暮らしやすいですし、色々なものが施設にしても充実している。そんな中で外にいると北九州の良さがなかなかわからないのが実態、アピールが必要ですね」

来月5日に決まる北九州市の次期市長。その手腕を、財界関係者も注目しています。