福岡・佐賀に今年誕生する新しい施設や、予定されるイベントをご紹介します。新型コロナによる停滞ムードから抜け出し、北部九州が活性化する飛躍の年になると期待されています。
◆交通の便が“飛躍”的に向上、地下鉄が延伸

3月27日に延伸開業する福岡市営地下鉄七隈線。延伸区間は天神南駅から博多駅までの1.4キロで、中間地点には新たに「櫛田神社前駅」が設けられます。七隈線の各駅から博多駅までの移動時間が約14分短縮されるほか、都心部の渋滞緩和にもつながることが期待されています。

福岡市・高島宗一郎市長「ステージが変わる年になると思う。うさぎ年ですから飛躍する年にしたいですよね」

天神ビッグバンの「西のゲート」となる大名小学校跡地に建設中の「福岡大名ガーデンシティ」は、1月20日に敷地内の広場が市民に開放され、4月以降、商業施設やザ・リッツ・カールトン福岡が順次オープンする予定です。天神ロフトは3月で営業を終了し、春に天神地区の別の場所で移転開業します。その候補とされているのが、ノース天神と統合して4月にリニューアルオープンするミーナ天神です。

RKB三浦良介「九州大学伊都キャンパスの近くでは、新しいまちづくりが進んでいます」

4月に街びらきを予定しているのは「九大新町研究開発次世代拠点」です。約3万1000平方メートルの敷地にレンタルできるラボやオフィスを備えた「研究開発棟」、学生向けのワンルームマンションなどが整備されます。産学官連携による研究開発や交流の拠点として、筑波や関西に次ぐ学研都市を目指します。
◆ダンスと水泳の世界大会も、スポーツイヤーに

2023年はスポーツイベントも目白押しです。2月には北九州市でパリオリンピックから正式種目となる「ブレイキン」の世界大会。7月には新型コロナの影響で延期されていた「世界水泳選手権」が福岡市で開かれます。10月には自転車の国際レース「ツール・ド・九州」が初めて開催されます。競輪発祥の地・北九州市を出発し、熊本県の阿蘇や大分県の日田などを巡る490キロのコースを1チーム6人で競うサイクルロードレースです。

九州観光機構は九州を「サイクルツーリズムの聖地」として、観光需要を高めたい考えです。
九州観光機構・西田陽介次長「サイクル愛好家に向けた旅行商品の販売、自転車を使って楽しむ旅を企画しています。「全国旅行支援」で国内客はコロナ前を超えるような水準で戻ってきています。インバウンドも戻ってきていまして、11月には4割を超える客が九州に来ていただいてます。2023年はコロナ前と同じくらい観光業界が盛り上がっていくことを期待しています」
◆「リッツ・カールトン」だけじゃない!新ホテル

リッツ・カールトン福岡以外にも、2023年には観光客の受け皿となる宿泊施設が続々とオープンします。地下鉄七隈線・櫛田神社前駅のすぐ目の前、歩いて1分の場所に4月、西鉄の新しいホテルがオープン。8月には中洲の明治生命福岡ビルの跡地に地上14階建てのホテルがオープンします。

また「道の駅うきは」の隣に夏頃オープンするのが「フェアフィールド・バイ・マリオット」。手がけるのは「ザ・リッツカールトン」なども運営するアメリカのホテルチェーン「マリオット・インターナショナル」と住宅メーカーの積水ハウスです。
九州経済調査協会・平田エマ次長「一度来られたインバウンドの方々は、次の目的地として都市部からさらに奥、あるいは温泉地へ広がっていく。道の駅も日本が持っているコンテンツとしては魅力的で、非常に面白い取り組みだと思う」
特徴は道の駅で購入した食材を自分で調理して楽しむこと。マリオットと積水ハウスは全国の道の駅で同様のホテルを建設中で、佐賀県嬉野市の「道の駅うれしの」にも夏頃開業させます。このほか西九州新幹線が通る嬉野温泉駅周辺では、JR九州が手がける高級温泉旅館が秋頃に開業するほか、福岡市西区の糸島半島・二見ヶ浦地区には玄界灘を一望できるリゾートホテルが11月以降にオープンする予定です。

◆コロナV字回復のカギは「人手不足」

コロナ禍で低迷する観光需要の復活が期待されていますが、専門家は課題も指摘します。
九州経済調査協会・平田エマ次長「中小企業の多くが人手不足に直面していて、募集をかけても集まらない。特に特に観光業では人手が足りなくて自分たちが出せる部屋の数を抑えている施設もあると聞いています。明るい話題が多い中でも、それを支える場の人たちをどう確保するかが問われているのではないでしょうか」
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◆月別にまとめた福岡・佐賀の「ニュースマップ」

今年のエリアの動きを月別にまとめます。1月は、福岡市の大名小学校跡地に広場がオープンするほか、こども病院の跡地について、再開発の概要が明らかになります。2月は北九州市で、市長選挙とブレイキンの世界大会。3月は福岡市の地下鉄七隈線が博多駅まで延びます。
4月は、生まれ変わるミーナ天神のオープンのほか、博多区のスケートリンクが、「オーヴィジョンアイスアリーナ福岡」としてリニューアルします。日付は未定ですが春ごろには、リッツ・カールトン福岡の開業と合わせてもう1つ、福岡市植物園にも新しいスポットが誕生します。芝生広場に設けられる「ボタニカルライフスクエア」は、100人規模のセミナーも開ける多目的スペースです。
夏ごろには、九州北部豪雨で被災したJR日田彦山線の添田から日田までの区間が、バス高速輸送システム=BRTとして開業します。
そして、今年も相次ぐのが新しいホテルや旅館の開業です。西鉄系のホテルやリッツ・カールトン、明治安田生命ビルの跡地など都市型のホテルに加え、道の駅や嬉野温泉、糸島半島には郊外型の宿泊施設ができて、新しい観光のスタイルが生まれそうです。







