日本の国民審査が目指すべき「情報発信」のあり方
アメリカの連邦最高裁裁判官は、大統領の指名後にテレビ中継される公聴会を経て、思想や政党色まで徹底的に論争されます。日本のように「中立」を重んじる文化とは異なりますが、司法と政治が近くなりすぎる懸念はあるものの、裁判官がどのような人物か広く知られるという点では一考の価値があります。
日本では現在、就任時の記者会見以外に裁判官が直接発信する機会は事実上ありません。しかし、昨年12月の衆院法務委員会でも指摘されたように、最高裁には適切な情報発信が求められています。
選挙での街頭演説や政見放送のように、裁判官もテレビなどを通じて直接声を届ける場を検討してもいいのではないでしょうか。国民審査を形骸化させず、民主主義のツールとして機能させるためには、制度の改善が不可欠です。あさっての投票では、衆院選の結果だけでなく、この「国民審査」という権利の行使についても、改めて考えてみていただきたいと思います。
◎山本修司

1962年大分県別府市出身。86年に毎日新聞入社。東京本社社会部長・西部本社編集局長を経て、19年にはオリンピック・パラリンピック室長に就任。22年から西部本社代表、24年から毎日新聞出版・代表取締役社長。







