毎年クリスマスの時期に、小児病棟を訪れるサンタクロースとその仲間たちがいる。

今年は、九州がんセンターや福岡大学病院など、福岡県内7病院で入院中の子どもたちにプレゼントを届けた。

サンタさんに英語で質問する子ども。
痛みを我慢して病室から出てくる子ども。
驚き泣いて親にしがみつく子ども。

そこには、普段治療中の子どもたちには得難い”特別な時間”があった。

病棟の廊下に鐘の音 医療スタッフにも笑顔

福岡市の九州医療センター。
小児病棟には、インフルエンザなどに感染しけいれんや肺炎をおこすなど、主に感染症の子どもたちが入院している。

親も子も、突然の闘病に戸惑いと不安を感じている。

「ピピピピ・・・」「ピピピピ・・・」無機質な医療機器の音が鳴り続ける病棟の廊下に、この日はベルやタンバリンの軽やかな音色と賑やかな声も加わった。

「Merry Xmas(メリー クリスマス)」
「Santa is here(サンタさんが来たよ!)」

サンタとその仲間たちが病室を訪問し、プレゼントを手渡していく。
まだ感染のおそれがある子どもたちには、ガラス窓越しに手を降った。

九州医療センター 看護師長 松竹晃司さん
「きょう、『サンタが来るよ』って話したら、お母さんと子どもたちの目がきらっと輝きました」

小さなベッドの中から、赤ちゃんが不思議そうに、サンタを凝視している。

「めっちゃ見てるね。かわいい」

ミスが許されない医療の現場。
緊張を強いられる病棟のスタッフたちの顔も、思わずほころんだ。