孫の運動会で娘にかけられた言葉「あなた、妹さんを殺されたの?」

子供の頃の米村智紗都さん

孫が通う小学校の運動会に行った日。
運動会の前日、たまたま米村さんがテレビで取り上げられた。

長女が言われた。

米村州弘さん
「『ねえ、ねえ、昨日テレビに映ってたの、あなたの、あの、お父さんじゃない?』と。『あなた妹さんを殺されたの?』と」

長女も自分が妹を殺したと思っていた人間だ。

その後、米村さんは言われた。

米村州弘さん
「『お父さん、もうごめんけど学校の行事には来ないで』と。『来るならば1人で見てちょうだい』と。『私たちに接触しないで』と。分かりますか?大切な孫、孫と一緒に運動会のお弁当を食べることができないんですよ」

それが米村さんの今の生活だ。

もちろん家族としては仲がいいので、たまに遊びに来る。
たまには買い物にも行く。
だけどそれも年に数回だ。
それぐらいしか孫と会うこともできない。

米村州弘さん
「このような生活がずっとこれから先も続くのかな、と思っています」


米村州弘さんの講演の内容は、6回の連載で掲載しています。

「2週間土の中に埋められていた人間ってどうなるか分かります?」変わり果てた20歳の娘と対面した父ネットで知り合った49歳男に娘を殺害された父親の22年【全6回連載①】

20歳の娘が殺害されたきっかけは1台のパソコンだった 「娘を殺したのは私」「妹を殺したのは私」残された家族3人が自らを責める家庭に・・・【全6回連載②】

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何でも”殺害された20歳の娘”と結びつけてしまう苦悩 心の支えは”孫” ただ、その誕生が「22年間で一番辛かった」【全6回連載⑤】

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