「不適切な対応」という言葉の軽さ

DNA鑑定をねつ造し数値や日付けを改ざんするという、捜査機関による前代未聞の不祥事。

佐賀県警は会見で、この重大な不正について、「不適切な対応」という言葉を使い続けた。
不正ではなく、「不適切な対応」と言い続ける姿勢にこそ、佐賀県警という組織が抱える問題の根深さを感じた。

男性職員を匿名で発表し、
7年以上にわたり不正を看過した上司に対しては「本部長・所属長注意」で済ませた。

質疑応答のカメラ取材も不許可とした。

その姿は過ちを認め、改善していこうとする組織には到底見えなかった。

年々増加傾向にあるというDNA型鑑定の件数。

「科学的な証明」は捜査の重要な切り札ともいえるが、えん罪や誤判の温床になる可能性を秘めていることに1人の市民として恐怖を感じた。


RKB毎日放送 記者 金子壮太