「影響がないことはありえない」弁護士会が声明

DNA型鑑定とは事件や事故の被害者や容疑者を特定するために、
現場や遺体、証拠品などに付着している体液などを検査する捜査手法。

130件の不正について「影響はなかった」とする佐賀県警の調査結果に対し、
佐賀県弁護士会は9日、「信用に値しない」とした上で、第三者による調査を求める声明を発表した。

佐賀県弁護士会の声明より
「科学鑑定に対する信頼を根底から揺るがすものであって、
 前代未聞かつ極めて重大な不祥事。弁護士会として最大限の非難を行う。
 報道によれば、
 佐賀県警はいずれも捜査への影響はないとの見方を示したとある。
 しかしながら、再鑑定の実施にあたり、鑑定試料が残存していたのか、
 鑑定試料が残存していたとして保存状況は適切だったのか等、
 再鑑定が適切に行われたかどうかの情報は明らかにされていない。
 また、
 上司の決裁を得やすくするために実際とは違う数値を添付していたのであれば、
 鑑定結果に影響が及んでいないとは考えがたい。
 数値を改ざんしながら結果に影響がないということはありえない。
 もとより、被疑者の特定や犯人との同一性等を捜査する必要があったからこそ
 DNA鑑定が実施されたはずであって、
 当該職員が『上司に自分の仕事ぶりをよく見せるため」
 「失敗や悪い結果が発覚し、上司から指摘されるのを避けるため」
 などと説明していることに照らせば、
 捜査機関に都合のよいように改ざんがなされた可能性が高く、
 そうであれば、改ざんされた鑑定結果をもとに、
 虚偽自白やえん罪を生じさせていなかったという確証も得られないはずである」

弁護士会は佐賀県警に対し、証拠として検察庁に提出されていた16件について詳細を明らかにし、捜査・公判に影響を与えなかったと判断した理由の詳細を公表するよう求めている。