弁当持参の生徒にも”給食無償化”どうやって?

その大野城市は、今年の2学期から「選択制給食」を維持したまま、給食費を無償化することを決めた。

弁当を持参する生徒やパンを購入する生徒に対しては、一体どのようにして「給食費の無償化」を実現するのだろうか。市に尋ねた。

大野城市 若山純哉 教育部長
「ランチ給食を基本とした選択制の維持を前提に制度設計を行うこととしています。具体的には牛乳については現物支給、ランチ給食は無償提供、弁当持参やパンを購入する家庭には相応の支援を行うことを基本として検討することとしています」

教育委員会はランチ給食を注文しない生徒や私学などに通う生徒などの家庭には、1食当たり、食材相当費のおよそ340円を支給するという。

何日分ランチ給食を注文しなかったか、生徒ごとに集計し、その金額を保護者の口座に振り込むことを想定していて、担当者は、「集計などに時間がかかるため事務負担は増えるのではないか」と話した。

現金給付「公平、とは言い切れない」

しかし現金を給付しても、生徒の欠食をなくすことにはつながらないと、専門家は指摘する。

千葉工業大学 福嶋尚子 准教授
「現金で給付すれば何に使うか自由っていうのは当たり前のことなので他のことに使ったっていいってなります。現金で給付しているので公平な無償性ですという風に言い切れるのかと言うと、言い切りにくい」

成長期の子どもたちの欠食をなくし、公平に栄養ある昼食をとることができるようにするにはどうすればよいのか。

給食の無償化を機に、改めて考える必要がある。

RKB毎日放送 記者 植高貴寛