同性婚、法制化の決め手になった選挙結果

きっかけのひとつが、2023年に行われた総選挙。多様性を求める若い世代から大きな支持を集めた革新系の政党が第1党になったことが大きい。LGBTQ+の当事者でもある国会議員たちが中心となって法整備が一気に進み法案が可決されたのだ。
社会がどれほど変化しても、最後は政治の力。そしてその政治を変えたのは、当事者を含む若い人たちの声だった。
当たり前の幸せ、日本でも

瓜生さんは今、首都バンコクの郊外でパートナーのワリンさんと一緒に暮らし、幸せをかみしめている。

ワリン・クァンピグンさん「彼女はとても気配りが上手で、今でも私をデートに連れ出してくれます」
好きな人と念願の”ふうふ”になれた瓜生さん。日本でも当事者たちの権利が平等に保障され、多様性が認められる社会になってほしいと話す。

瓜生安希さん「タイは、女性同士とか男性同士とかのカップルっていうのは、本当にいっぱい分かるような形でいろんなところにいらっしゃいますよね。こんな形って日本で見たことがなかった。それをどう捉えるのかっていうのは人の感じ方なのでそれを強要できるわけでもないので難しいですけど、法律は、違憲だとかの判断を裁判で積み上げていかないと変えられないんだっけ?って思います。そもそもおかしいことじゃないのに。先に制度が出来ちゃえば、その後みんなの考え方とかってついていくみたいなところってあると思うんですけど。特に日本は母国ですし、認められれば日本でも結婚できるわけですし。それはぜひぜひ制度化してほしいです」

もちろん、同性婚が認められたからすべてが解決するわけではない。タイでは、性別適合手術を受けたあとも法律上の性別変更が認められていないなど、制度上の問題もいくつか指摘されている。ただ、今回の同性婚の合法化を機に、法改正に向けた議論が進むとみられている。
RKBバンコク支局 記者 ゲーワリン・タンワッチヤラパーニー