男はいずれの事件についても無罪を主張 福岡地裁「被害者の供述は信用できる」

裁判で本多被告は、当時22歳の女性(事件②)に対する強制わいせつ事件について、抱きつき臀部を触ったことについては認めたうえで、「被害者に許可は取っていたし、被害者は嫌がっていなかった」「それ以外に性的な言動はしていない」などと起訴内容を否認。弁護側は、「被害者の証人尋問は事件から2年経過していて、記憶に曖昧な部分がある」などと主張した。

①の事件については「性的な行為は無かった」などと述べ、③の事件についても「「裏切り者」とも「殺す」とも発言していない」「日本刀を素振りしていたが、それは手持ち無沙汰であり、屋外が寒く、身体を動かしたかったためだった」などと述べ、起訴内容を否認。

本多被告は3件すべてで無罪を主張したが、福岡地裁は「被害者は事件前後の状況を含め、その時々の心情を交えながら具体的に証言している」「被害者の供述は信用できる」などとして、本多被告に有罪判決を言い渡した。

糸島勤務中に起きた強制わいせつ事件(①と②)については「自らの性欲を充足させるため、仕事上の上下関係を背景に強制的にわいせつ行為に及んだ」と認定した。

「私以上に、被害にあった人もいる」

今後は今回審理されなかった強制性交等傷害罪や準強制性交等罪などについて審理が行われ、全ての事件を検討した上で、量刑を含んだ判決が言い渡される。

今回裁判で証言した被害者の女性(22)は、声を振り絞った。

ペットショップ従業員だった女性(当時22)
 私以上に被害に遭われた方も多いと思うので、厳しい処罰を望みます


RKB毎日放送 記者 奥田千里