結婚後、夫婦仲が悪化した
今年10月2日、白の長袖のTシャツにグレーのスウェットで入廷した渡辺被告。
夫婦関係について、「長男の誕生後、2人の子供の育児や家事を放棄したうえ、ことあるごとに被告人を罵倒するようになった。事件の約1年前からは週に2~3回以上、深夜に2~3時間くらい正座させられ、『結婚しなければよかった』『子供のお前の育て方が悪い』などと一方的に罵られていた」と話した。
弁護士:「結婚当時の夫婦仲は?」
渡辺被告:「喧嘩もしないくらいうまくやっていたと思います」
弁護士:「夫婦関係が悪化したのは仕事を辞めさせられた5年前くらい?」
渡辺被告:「著しく悪くなったのはその辺りだと思います。子供が生まれて妻が育児を続けるのが難しくなって、私が出社すると(自分が)育児をしなきゃいけなくなるので、私を出社させないようにしていました」
弁護士:「どうして仕事を辞めるように言われた?」
渡辺被告:「私が家にいないと(保育園への)送り迎えとかをやらなきゃいけないので、私が出社するのを拒んだと思います。
最初は私が(保育園に)送って、妻が仕事から帰ってきてから面倒をみるという形でしたが、私が帰ってくるまでの間も子どもの面倒を見たくない、ということで私が出社することを望みませんでした」
弁護士:「被害者は育児を手伝っていましたか?」
渡辺被告:「全くではなくて、子供と2人きりになるのを極端に嫌う感じです」
弁護士:「どうして2人きりを嫌う?」
渡辺被告:「子供の世話をしなければいけないから」
弁護士:「そのことを直接聞いたことがある?」
渡辺被告:「はい。『私は親に世話をされていないから子供への接し方が分からない』と言っていました。」
2018年に第2子である長男が生まれると、「妻はより子育てをしなくなり喧嘩が多くなった」と主張した。
弁護士:「仕事にも行けなくなる?」
渡辺被告:「はい。インターネットの仕事なので、家でできる範囲では自宅でするようになりました」
弁護士:「出社できない理由は会社に説明した?」
渡辺被告:「妻が育児をしないということは恥ずかしくて言えないので、私の体調が悪いというふうに言っていました」
弁護士:「出社できないことで給料に変化は?」
渡辺被告:「少しずつ減っていく形になりました」
涙ながらに謝罪も「マイナス面を証言することは必要」
2日の被告人質問。
終盤は弁護士から遺族への思いについて問われた。
弁護士:「被害者をミイラ化させたことについてはどのように考えていますか?」
渡辺被告:「その場で救命するべきでしたし、警察に通報するべきだったと思います。人として許されることでは無かったと思います」
弁護士:「この法廷でお詫び申し上げたいんじゃないんですか?」
渡辺被告:「はい」
そして、渡辺被告は証言台の椅子から立ち上がり、傍聴している遺族の方を向き、裁判長から「座ってください」という指示を受けながらも、涙ながらに謝罪をした
渡辺被告:「本当に申し訳ございませんでした」
謝罪について検察官が質問した。
検察官:「先ほどの涙は何の涙?」
渡辺被告:「妻の遺体を放置し申し訳ないという涙です」
検察官:「謝罪したにもかかわらず、あなたは法廷や取り調べで被害者を侮辱するようなことを言っていますが、それはなぜ?」
渡辺被告:「必要だと思ったからです。」
検察官:「どうして必要?」
渡辺被告:「妻のマイナス面を法廷や警察署での証言として伝えることを悩んでいましたが、必要だと思って話しました。謝罪になっていないと言われたらそうだと思います」